House Build[家を建てる方へ]

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こんな考えで設計しています…設計の理念

1.こんな考え方で設計しています

・建主との充分な打合せの中で、建主が何を望んでいるのか、建主を取り囲む環境は何かを見極め、建築家として何をどの様に提案したら良いかを判断し、提案することがとても大切な事だと考えています。

2.設計でだいじなこと

・まず大切なことは、建物が地域の環境に充分なじんでいるかどうかだと思います。
なぜなら建物は街並みを構成するとても大切な要素の一つだからです。美しい街並みを保全することは、建て主と建築家の義務だと思います。次に大切なことは、建物がそこで暮らす人を元気に健康にできるか、だと思います。
それはメンタルな部分とフィジカルな部分との両面でです。建物が気に入っていること、住み心地がいいことです。
かつて、建築家の内井昭蔵氏が言っていた「健康な建築」まさにその通りだと思います。

3.建築家のひとりよがり

・私達が受けた建築教育は、近代建築のデザイン手法であり、装飾をけずり落とした建築がデザイン的にすぐれているものとされてきました。又、金属やガラスといったシャープな素材を使い軽快な建物がかっこいいとされてきました。ただ、この考え方は建築家のひとりよがりであり、一般の人が好む家はそんなシャープな建物よりも、かわいかったり、もっと土の臭いのするものだったりします。人が建物を見て、良い悪いの判断は、の人の経験、体験の延長線上にあります。だからといって、いつも古くさい、昔じみた建物をつくったのでは、建築の進歩はないし、建築家に家を設計してもらう意味もないかもしれません。

4.私があこがれている住宅

・かつて寺内貫太郎一家というTVドラマがありました。そこに出ている家は、東京にある一般的な木造の商家なのでしょうが、この家が好きです。茶の間があり、縁側があり、茶の間の南側には庭があり、お婆ちゃんの独立した離れは廊下(はねあげ式)でつながっています。家族全員が茶の間に集まり食事をします。家族はそれぞれ勝手なことをしていても食事には集まり、けんかをします。この家は家族のプライバシーを守りながらも家族のそれぞれの生活の様子も判り、かつ、一日何度か必ず集まる(集められる)スペースがあるのです。この家には、日本がかつて大家族だった頃のなつかしい風景があります。

5.家相や風水を建築家はどう思っているのか

家相について

建築家の中には家相という言葉だけでアレルギーになっている人が多く、家相などを 信じたら家など設計できないと言う人がいます。 私は家相は古くから家を建てる上での先人の知恵であり、昔の建築基準法だと思います。 建築家の清家清が言っている様に、家相にはある部分、科学的な部分もあります。例えば トイレや浴室などを北東の角にもっていくと、昔は寒くて用を足している時に倒れてしまう場合もありました。この方位は家相では鬼門とよばれる方位です。ただ現在は 設備も良くなってますし、一番大切なのは、光が入り風通しのよい明るい家だと思います。
参考:清家清「現代の家相」(新潮社)   

風水について

最近は家相と並んで風水で家の吉凶を判断することが流行していますが、風水はもともと 地理風水と言い、中国で土地、特に墓の地を占い定める術として発展し、その後、都市や 住居の配置などを考える学問となったのです。 私が感じるのは風水は地理学、自然学、環境学であり、土地の良し悪しを計ることには 科学的根拠もある場合がありますが、家の吉凶−この家は吉の家とか、凶とか−は風水の 本来の考え方からいうとちょっと違う様に思います。